株式会社ユニシアホールディングス様 導入事例
紙ゼロ・属人化ゼロへ。全国の店舗と本部をつなぐSalesforceが支えるDXとは
―Salesforceを基盤に約30種類の申請業務の一元化に成功。レスポンス速度の向上と紙申請ゼロを実現し、現場と本部の連携を強化―
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株式会社ユニシアホールディングス
IT戦略部DX推進課 石原 楓さま(写真左)
IT戦略部DX推進課 芳野 健太さま(写真中央)
IT戦略部情報システム課 佐藤 香織さま(写真右)
株式会社ユニシアホールディングスは、「串カツ田中」を主力ブランドに、とんかつ・天ぷら・すき焼きなど多彩な飲食業態をFC含めて365拠点以上(2026年3月時点)展開する飲食グループです。飲食事業のほか、店舗施工・デザイン・システム開発事業も擁する多角的な企業グループとして成長を続けています。
社内ではIT戦略部 DX推進課と情報システム課の2チームが連携し、現場や本部のオペレーションの効率化とセキュリティ強化の両立を推進しています。現場経験者を意図的にITチームに参画することで、実務に即したシステム設計と定着を実現しています。
株式会社ユニシアホールディングス様 公式サイト
同社は長年Salesforceを活用しており、導入当初からエス・ビー・エスにSalesforceの開発支援をご依頼いただいていました。その結果、申請業務の一元化が進められ、これまで手段がバラバラだった約30種類の申請業務をSalesforce上に集約し、店舗と本部をつなぐ申請基盤として定着させ、紙の申請書をほぼゼロにするなど業務効率の大幅な改善を実現しました。
今回は、「Salesforceソリューション」の導入および運用を推進されているユニシアホールディングス様に、その経緯と成果について伺いました。
【導入前の課題】
- ・申請書類がExcel・Word・メール・手渡しなどに分散していた
- ・情報が個人に依存しており、全体の状況が把握しにくかった
- ・業務データの一元管理ができていなかった
【導入の決め手】
- ・エス・ビー・エス社の担当者のレスポンスが速く、認識のずれが起きにくかった
- ・毎週来社し、業務の理解も深く相談しやすい体制があった
- ・営業だけでなく開発担当者も業務内容を深く理解していた
【導入の効果】
- ・約30種類の申請書がSalesforceという1つの基盤に集約され、業務の滞留が解消された
- ・リマインド機能により確認漏れ・対応漏れが減り、督促などの人的負担が軽減された
- ・利用者が直感的に操作できるようになり、自発的に機能を活用するユーザーも出てきた
【導入前の課題】分散・属人化していた申請業務を統一したかった
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ユニシアホールディングス様では、Salesforce導入以前から社内の申請や報告業務が、ツールも方法もバラバラの状態でした。営業報告書はExcelで個別管理され、休暇申請はWord文書をメールで送付、場合によっては手渡しで処理するケースもありました。
また、チャットツールは導入されていたものの、業務データそのものは依然として個人のファイルや記憶に依存しており、全体の進捗や状況を俯瞰(ふかん)して把握することが難しい環境でした。
情報の属人化が生み出すリスク
特に深刻だったのは、情報の属人化です。担当者が変わると引き継ぎが煩雑になり、どの情報がどこにあるかわからなくなるリスクが常にありました。ExcelやWordで作成されたファイルは担当者のPC上やメールボックスに点在しており、後から情報を追いかけようとしても、どのバージョンが最新なのかどうかも定かではないケースも少なくありませんでした。
本部と店舗・FC拠点が関わる組織において、こうした分散した運用は業務効率を大きく損なう要因でした。現場からの申請を受け取る本部側も、受け取り方が統一されていないため、確認や承認に余分な手間がかかり、対応のスピードに影響が出ていました。
【導入の決め手】技術力だけでなく伴走してくれる姿勢が選択の決め手に
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Salesforce導入にあたっては、Salesforce社から複数のパートナー企業が紹介されました。
その中でエス・ビー・エスを選んでいただいた最大の理由は、担当者の対応の速さと、チームとしての業務理解度の高さでした。
営業担当者だけでなく、実際に手を動かすエンジニアまでもが現場の状況をきちんと把握しており、「依頼しても認識がずれない」という安心感が生まれました。
担当者との距離の近さが、長期的な信頼関係を生んだ
なかでも印象的なエピソードとして、エス・ビー・エスの担当者が毎週来社し、社内メンバーとともに課題解決を一緒に進めていたことが挙げられます。単に技術を提供するベンダーとしての関わり方ではなく、チームの一員として内側に入り込むことで、業務内容や現場の実態への理解を深めていきました。
その積み重ねの中で、ユニシアホールディングス様でもSalesforceへの理解が深まり、「できること・できないこと」を自分たちで判断できるようになっていきました。結果として要望の解像度が上がり、より具体的かつ的確な依頼へとつながっています。長期的なパートナーシップの起点は、まさにこうした日々の伴走にあったといえます。
現在も両社の関係は続いており、「どんどん要求のレベルが高くなっている」と社内では笑い話になるほど、信頼関係は深まっています。困ったことがあればすぐに相談できる関係性が、導入後の定着と継続的な改善を支えています。
【導入の効果】紙の申請書ゼロ、現場になじむ申請基盤の構築
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エス・ビー・エスによる開発支援のもと、Salesforceの活用が本格化して以降、最も大きな変化のひとつは「紙の申請書がほぼゼロになった」ことです。
休暇申請・レジ誤差修正・店舗修繕依頼・デザイン依頼書・POS申請など、現在では約30種類の申請がSalesforce上で完結しています。FC店舗を含む365拠点すべてに申請フローが広がっており、本部・店舗間の情報連携が大幅にスムーズになりました。
約30種類の申請が一つの基盤に集約
現在Salesforceで運用されている申請は、人事・労務系(休暇申請、ユーザー登録、デバイス貸与)、店舗運営系(レジ誤差修正、店舗修繕依頼)、クリエイティブ系(デザイン依頼書、外部制作物の使用許可申請)、メニュー運用系(グランドメニュー変更稟議、POS申請)など多岐にわたります。
一見すると種類が多く複雑に思えますが、申請のベース構造は共通化されており、一つの操作を覚えれば他の申請にも応用できる仕組みになっています。
また、選択内容に応じて入力可能な項目が自動的に切り替わる「入力規則」を多用することで、誤入力や不要な入力を防ぐ仕組みも整えています。結果として、現場スタッフが迷わず申請できる直感的な操作性が実現されました。
リマインド機能で「確認漏れ」がなくなった
承認フローへのリマインド機能の組み込みも、大きな効果をもたらしました。以前は担当者が電話や個別メッセージで督促しなければならなかった場面が、システム上の自動通知によってほぼ解消されています。自分の承認番が回ってきた際に通知が届くため、対応漏れが起きにくくなり、各部署のレスポンス速度も向上しました。
さらに、現場からの問い合わせは、まずエリアマネージャーが一次対応する体制を整えたことで、IT戦略部への問い合わせが集中しない仕組みも確立されています。エリアマネージャーが先に内容を理解した上で店舗へ展開するため、現場での混乱も最小限に抑えられています。
「使いこなす」段階へ―自発的に機能を探すユーザーも
Salesforceが社内に定着してきた今、長年在籍している社員はSalesforceの操作にすっかり慣れ親しんでおり、積極的に活用しています。その習熟度は新入社員への操作指導も難なくこなせるほど高くなっています。
特に印象的なのは、こちらから案内していない機能を自ら発見して活用しているユーザーが現れ始めたことです。
これは単なる「慣れ」ではなく、システムが現場の業務に自然に溶け込み、使いこなされている証しといえます。
IT戦略部が「作って終わり」ではなく、現場の実態に合わせて丁寧に設計・改善を重ねてきた成果でもあります。現場出身のメンバーがIT戦略部に加わり、両者の視点を持ちながら開発に関わってきたことが、この定着の背景にあります。
【今後の展望】申請基盤を土台に、AIと外部連携でさらなる進化へ
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申請業務の一元化という最初のゴールをほぼ達成した今、同社が次に見据えるのはAI活用と外部システムとの連携です。
現在もSalesforceのAI機能を活用していますが、営業・商談向けの分析が中心となっており、飲食業特有の申請業務や現場オペレーションへの適用はこれからの課題です。自社業務に合ったAI活用の形を模索しています。
TableauやRPAとの連携で、データを意思決定に活かす
現状はSalesforceが申請基盤として機能しているものの、その先のシステムとの連動は限定的です。
今後はTableauやRPAとのデータ連携を強化し、各部門が必要な情報を自ら取りに行ける環境を整えることを目指しています。蓄積された申請データや業務データを可視化・分析することで、より精度の高い意思決定につなげていく考えです。
また、Salesforceは年3回のアップデートで新機能が追加されます。エス・ビー・エスには、こうした新機能の中から同社の業務に活用できるものを能動的に提案してほしいという期待も寄せられています。
LightningへのUI移行も進みつつある中で、今後さらに活用の幅が広がる見通しです。
外食業界全体のDXをリードする存在へ
IT戦略部では、現場出身のメンバーがDX推進課と情報システム課の両面から関与し続けています。「作ったことに自己満足せず、本当に現場で使えるかどうかを常に問い続ける」という姿勢が、同社のSalesforceの定着と進化を支えてきました。
外食業界はまだアナログな部分が多く残っており、ITの活用余地は大きいと同社は見ています。Salesforceを基盤に、AIや外部システム連携、データ活用を組み合わせることで、業界全体のDXをリードするような存在になることを視野に入れています。
ユニシアホールディングス様は引き続きエス・ビー・エスとの強固なパートナーシップのもと、今後もさらなるDXの深化を目指しています。
※インタビューは2026年3月当時のものです。
※Excel・Word:Excel及びWordは、米国Microsoft Corporationおよびその関連会社の登録商標または商標です。
※Tableau:TableauはSalesforce, Inc.の登録商標です。
