世田谷サービス株式会社様 導入事例

複数システムを統合し、業務効率化とデータ一元管理を実現
―段階的導入とスモールスタートで、55年の歴史ある企業のさらなるDX化を推進―

写真:世田谷サービス株式会社様

世田谷サービス株式会社様

常務取締役 田中 克弥さま(写真右)
サポート課 課長代理 安井 幸治さま(写真左)

1968年創業の世田谷サービス株式会社は、矢崎エナジーシステムの特約販売店として、タクシーメーターやタコグラフなどの計装機器の販売、工事、保守メンテナンスを行っています。安全・経済性を考慮した機器提案を強みとし、専用サポートセンターによる迅速な対応を行っています。
世田谷サービス株式会社様 公式サイト

同社では近年、エス・ビー・エスの導入支援を受けてSalesforceを基盤に業務システムを統合し、DX化を推進しています。カレンダー管理、作業依頼、車両台帳など、これまで複数のソフトに分散していた情報を一元化するとともに、現場での手書き作業をデジタル化することで、業務効率の大幅な改善を実現しつつあります。

今回は、『Salesforceソリューション』の導入および運用を推進されている世田谷サービス株式会社様に、その経緯と成果について伺いました。

【導入前の課題】

  • ・カレンダー管理、作業依頼、車両台帳が別々のソフトウェアで管理され、データが分散
  • ・現場での作業記録は手書きで、情報の正確性や確認に課題があった
  • ・約2万件の車両情報と何千件もの顧客情報が整理されていない

【導入の決め手】

  • ・取引先の会社様がSalesforceを使用しており、将来的な連携の可能性があった
  • ・Salesforceの年度末の価格優遇により、コスト面で納得できる条件が提示された
  • ・エス・ビー・エス社の現場の実情を理解した上での柔軟な提案と対応力
  • ・スモールスタートで始められたこと

【導入の効果】

  • ・現場での最終チェック作業が減る結果に
  • ・過去データの参照が容易になり、重複作業を削減
  • ・音声入力機能の追加により、手書き作業の負担を軽減
  • ・段階的導入により、社内の混乱を最小限に抑えながらDX化を推進

【導入前の課題】複数システムの分散管理と手書き作業が業務を圧迫

世田谷サービス株式会社様では、長年にわたり複数のソフトウェアを併用して業務を行っていました。常務取締役の田中様は当時の状況をこう振り返ります。

写真:世田谷サービス株式会社様 常務取締役 田中 克弥さま

「ある程度のDX化はされていたものの、カレンダーのソフト、作業依頼はExcel、車両台帳はAccessと、それぞれバラバラのソフトウェアで管理していました。そして現場では手書きです。データが分散していて、どこに何があるのか把握しながら作業を進める状況でした」と語ってくださいました。

特に課題だったのが、約2万件の車両情報と何千件もの顧客情報の管理です。同社が扱う安全機器は、車両ごとに取付内容が異なり、パーツの種類も膨大です。これらの情報が整理されていないため、過去の作業内容を確認するにも時間がかかっていました。

さらに、現場での作業は室内ではなく車両の中で行われ、土砂降りや雪の中、昼夜を問わず時間に追われながらも手書きの記録が必要でした。

【導入のきっかけ】タブローの買収がきっかけに!Salesforceとの出会い

DX化を部分的に開始していたものの、まだまだDX化の必要性を感じていた同社ですが、Salesforceとの出会いは意外なところから始まりました。

写真:世田谷サービス株式会社様 常務取締役 田中 克弥さま

「数年前から、タブロー※1というデータ集計ソフトを使っていました。それがSalesforceに買収されたことで、Salesforceから営業電話がかかってきたんです」と田中様は振り返ります。

当時、社内では別の役員が大塚商会やkintoneなど他社との商談を進めていましたが、田中様は取引先である矢崎エナジーシステム様がSalesforceを使用していることを知っており、話を聞いてみることにしました。

「矢崎エナジーシステムがSalesforceを使っているということは、将来的に連携する可能性もあると思いました。それに、現場のことを一番知っているのは私でしたから、これはいけるんじゃないか」と考えられたそうです。

決定的だったのは、Salesforce社の年度末価格優遇と現場の要望に柔軟に対応してくれる姿勢でした。

「Salesforce側が1月決算ということで、かなり価格を抑えてくれました。そして何より、エス・ビー・エスさんが私たちの要望をしっかり聞いて、実現する方法を一緒に考えてくれたことが大きかったです」

※1 タブロー:Tableauは膨大なデータを直感的な操作で見やすくグラフ化し、分析できる「BIツール(ビジネス・インテリジェンス・ツール)」。2019年に、米国のSalesforce社がTableau Software社を買収した。

【導入の決め手】現場を深く理解し、共に作り上げる姿勢

Salesforceの導入を決めた後、エス・ビー・エスとの本格的な開発がスタートしました。当初は3ヶ月での完成を予定していましたが、より良いシステムを目指した結果、実際には約半年かかりました。

「毎週定例会を開いて、時期によっては週2回打ち合わせをしていました。本当に勉強会のようでしたね」と田中様は笑います。

写真:世田谷サービス株式会社様 サポート課 課長代理 安井 幸治さま

サポート課の安井様が、特に苦労したのは業界特有の複雑な業務プロセスを理解してもらうことだったとおっしゃいました。「ETCひとつとっても、様々な要素が絡んできます。この機械にはこの番号が必要、この資料が必要、といったことを一つひとつ理解していただかないと、システムを構築できません」と当時を振り返ります。

「車に取り付けるといっても、パーツの数が膨大なんです。それを一台一台、設計図のように管理する必要があります。それを全部手書きしたり、頭の中で覚えていたりしていたわけです」と田中様。

エス・ビー・エスでは、こうした複雑な業務を理解するため、何度も質問を重ね、図を起こしながら確認していきました。

「最初は『これは何ですか?』『どういう流れですか?』という質問が多かったようですが、本当によく勉強してくれました。私たちよりも詳しくなったんじゃないかと思うぐらいです」

そして、開発を進める中で、当初予定になかったmitoco※2(ミトコ)というカレンダーソフトも統合することになり、開発範囲は広がっていきました。

「やりたいことを伝えると、『それならこの方法があります』と提案してくれる。話が広がりすぎて開発費も広がってしまいましたが、おかげで本当に使いやすいシステムになりました」と田中様は語ってくださいました。

※2 mitoco(ミトコ):株式会社テラスカイが提供する、Salesforceプラットフォーム上で動作するクラウド型グループウェアおよびERP(企業資源計画)サービス。グループウェアとしてカレンダー、ワークフロー(電子承認)、掲示板、トーク(チャット)、タスク管理、ファイル共有などがある。

【導入の成果】作業時間半減、段階的導入で混乱を最小限に

現在、世田谷サービス様では段階的にシステムを導入しています。まず新規顧客から始め、既存顧客のデータは徐々に移行しているところです。

写真:世田谷サービス株式会社様 サポート課 課長代理 安井 幸治さま

田中様は実際に現場で使用された感想をこう語ります。

「現場での最終チェック作業が半減し、簡単にできるようになりました。同じ車両に何度も作業に行くことがあり、その際に過去のデータが出てくるため、今までは情報を手書きしていました。しかし、システム導入後に自分で試したところ、本当に簡単にチェックできるようになりました」

さらに、音声入力機能を追加したことで、手書き作業の負担も軽減されました。

「当初は写真を撮影して、そこから文字を読み取って自動入力する機能も検討していました。それはまだ実現できていませんが、音声入力ができるようになったので、かなり楽になりました」

ただし、全社展開にはまだ課題もあります。安井様は「既存顧客のデータがまだ移行できていないので、今は両方のシステムで二重に作業している状況です。これが一本化されれば、本当の効果が出てくると思います」と語ります。

これに対し、田中様は「あえて一気にデータを移行しませんでした。これは社長の意向なのですが、一気に移行するとパニックが起こってしまうと思ったからです。段階的に慣れてもらって、適切なタイミングで一気に移行する予定です」と、慎重な姿勢を見せてくださいました。

【成功の要因】スモールスタートと信頼関係

プロジェクトが順調に進んだ要因について、田中様は「スモールスタートで始められたことが大きかった」と語ります。

「以前、別のプロジェクトがあったんです。そのときはかなり大がかりなプロジェクトを計画し、その計画ができてからスタートしようという話がありましたが、結局できませんでした。今回は、とにかく導入しようという形で始め、ダメなら途中でやめようと思っていました。しかし、今回はスモールスタートができたことでうまくいきました」

写真:世田谷サービス株式会社様事例 手書きの打合せメモ

また、エス・ビー・エスとの信頼関係も重要な要素でした。

「時には打ち合わせが始まるまでの余談に花が咲くこともあり、お互いの理解をより深めた上で打ち合わせさせていただきました」とエス・ビー・エスの担当者は振り返ります。

田中様も「雰囲気が本当に良かったです。お互いに言いたいことを言いますが、相手のことを考えて言ってくれる。こちらの要望をしっかり聞いて、実現する方法を一緒に考えてくれました」と続けます。

さらに、トラブル対応の速さも信頼につながりました。「Slackで要望を出すと、本当に早く対応してくれます。緊急のものはすぐに、そうでないものは適切なタイミングで。速さは信頼関係につながりますから」と語ってくださいました。

【今後の展望】年内のデータ一元化の完了を目指し、次のステップへ

現在、世田谷サービス様では年内を目標にシステムの基本的な一元化を完了させる計画です。

「今はカレンダー機能を全社に展開しているところです。説明書も作って配りましたが、まだブラッシュアップが必要なところもあります。ある程度整ったら、説明会を開いて全社で使えるようにしたいです」と田中様は語ります。

写真:世田谷サービス株式会社様 常務取締役 田中 克弥さま

そして、次のステップとして売上・請求システムとの連携も視野に入れています。

「今使っている売上・請求のソフトを変える計画があるので、それが決まってから連携させる予定です。まずは今のシステムをしっかり確立させてから、次に進んでいきます」

田中様は最後にこう締めくくりました。

「創業55年の会社が、わずか1年で大きく変わろうとしています。ゴールは見えています。Salesforceの導入が問題なく成功したおかげで、あとは進むだけです。本業が忙しいので移行しきれていない部分もありますが、できればもう少し早く進めたいですね」

同社は、Salesforceを基盤に段階的なDX化を進め、複雑な業界特有の業務プロセスをシステム化することに成功しました。スモールスタートで始め、現場との対話を重ねながら着実に成果を上げてきたこのプロジェクトは、エス・ビー・エスとの強固な信頼関係のもと、今後もさらなる発展が期待されます。

※インタビューは2026年1月当時のものです。

※Excel:Excelは、マイクロソフトグループの企業の商標です。

※Access:Accessは、マイクロソフトグループの企業の商標です。

※Tableau:TableauはSalesforce, Inc.の登録商標です。

※ mitoco:株式会社テラスカイの登録商標です。