日本高純度化学株式会社様 導入事例

Salesforceを基盤に情報を一元管理する「J-PLAT」※を構築
―自動化とデータ活用によって顧客満足度を高めるとともに、営業力の強化と業務の効率化を実現―

写真:日本高純度化学株式会社

日本高純度化学株式会社

「J-PLAT」※ プロジェクトチーム(写真左から順序不同)
経営企画部係長 榛葉 拓也さま
技術部長 吉羽 健児さま
同チーム責任者 営業部長 下田 賢一さま
営業部係長 當眞 嗣貴さま

日本高純度化学株式会社様は、1971年の創業以来、エレクトロニクス業界で電子部品や半導体製造に欠かせない貴金属めっき薬品の開発・製造・販売を手がけています。独自の研究開発体制により、金・銀・パラジウムのめっき薬品を自社開発し、国内外の顧客に提供しています。
日本高純度化学株式会社様 公式サイト

同社では近年、エス・ビー・エスの導入支援を受けてSalesforceを基盤に顧客向けポータルサイト「J-PLAT」※を構築しました。「J-PLAT」※は、めっき薬品に関する分析結果や関連データ、チャット機能などをリアルタイムで提供し、顧客と社内の各部門をつなぐ統合プラットフォームです。Salesforceの柔軟性を生かし、すでに多くの効果を生み出しています。



写真:専用ポータルサイト「J-PLAT」の概念図

専用ポータルサイト「J-PLAT」※の概念図
専用ポータルサイト「J-PLAT」※の開設に関するお知らせ

今回は、『Salesforceソリューション』の導入および「J-PLAT」※プロジェクトの推進に部門横断で取り組まれている皆様に、その経緯と成果について伺いました。

【導入前の問題点】

  • ・部門や担当者、顧客ごとに情報が分散し、属人化していた
  • ・膨大な情報をメールやMicrosoft Excelで管理しており、共有や活用が断片化していた
  • ・手作業の書類作成や二重チェックなど、アナログ作業に時間を要していた

【導入前の課題】

  • ・情報の一元管理による共有・連携方法の効率化
  • ・分析結果の確認プロセスの改善

【導入の決め手】

  • ・Salesforceの高いセキュリティレベルと、柔軟にカスタマイズできる拡張性
  • ・エス・ビー・エスが示した高い実現力と柔軟な対応力

【導入の効果】

  • ・顧客が必要な情報をリアルタイムに確認でき、判断スピードが向上
  • ・上記の結果から同社と顧客との連携強化につながった
  • ・顧客企業内での横断的な情報共有が可能になった
  • ・分析結果が見える化され、顧客が安心して継続利用できる環境が整備された

【導入前の課題】顧客への情報展開にタイムラグがあり、また、過去に展開したデータの管理も十分でなかった

日本高純度化学株式会社さまでは、「J-PLAT」※というSalesforceを基盤としたシステムの構築と運用にあたり、部門の垣根を越えたプロジェクトチームが組織されました。営業部でセールスやマーケティングを担当している下田さまと當眞さまは、日々の業務の中で情報の共有や管理に苦労する場面が多かったそうです。

写真:同チーム責任者 営業部長 下田 賢一さま

当時を振り返りながら、下田さまは「分析結果をお客様にお届けするのに時間がかかり、確認いただくまでにタイムラグが生じることも気になっていました」と語ります。 同社が扱うめっき薬品は、外見だけでは状態を判断しにくいものが多く、顧客にとっては分析内容が唯一の判断材料となります。特にわずかな変化が影響を及ぼすめっき薬品では、状況をできるだけ早く共有することが欠かせませんでした。

「メールが他のメールに埋もれてしまい、見落としてしまう可能性もありました」と當眞さまは続けます。顧客は情報が必要なときに、自分でアクセスして確認できる仕組みがないことは、安心して同社の製品を使い続けていただく際の課題となっていました。

写真:技術部長 吉羽 健児さま

また、複数の工場を持つ顧客企業の場合、本社と各工場が同じ情報を同時に共有することが重要です。しかし、メールで個別に送信する方法では、どの工場にいつ情報が届いたのか把握しづらく、情報共有のタイミングにばらつきが出てしまいました。 「本社は確認できているのに、ある工場にはまだ情報が届いていないというケースもあった」と下田さまは話します。

さらに、過去の分析データを一度に確認したい場合は、以前のメールを一つひとつ探し直さなければならず、その作業が顧客にとっても負担になっていました。榛葉さまも「お客様に安心してご利用いただくためには、分析結果を『見える形で』かつ『1カ所にまとめて』提供できる仕組みが必要だと感じていました」と語られました。

【導入の決め手】顧客価値の向上を中心に据え、最適な基盤としてSalesforceを選択

新しい仕組みを検討する過程について、下田さまは「もっとも重視したのは、お客様が迷わず使えること、そして外部公開にも十分に耐えられるセキュリティです」と語ってくださいました。

写真:営業部係長 當眞 嗣貴さま

同社が扱うめっき薬品は種類が多く、顧客ごとに確認したい内容や判断に必要な情報が異なります。そのため、業務内容に応じて柔軟に設計できる基盤が不可欠だったのです。

その中でSalesforceを選んだ理由について、當眞さまは「セキュリティと拡張性のバランスがよく、お客様向けサービスの基盤として安心して採用できると判断しました」と振り返ります。単なるデータの保存や一覧表示だけでなく、『顧客がどのように情報を受け取って判断するのか』まで考慮した設計が求められたため、柔軟に構築できるシステム環境が重要となりました。

しかし、基盤を選んだだけでは、プロジェクトは進展しません。特に難しかったのは、『顧客がどのように情報を受け取れば安心できるのか』『どのような構造であれば迷わず利用できるのか』といった顧客体験の設計です。 その点について、當眞さまは次のように話します。「こちらがやりたいことをSalesforce内でどのように実現していくのか、エス・ビー・エスさんが丁寧に整理してくれました。表示する順番や、注意すべき項目の強調の仕方、本社と工場の双方が同じ情報を受け取れる見せ方など、細かな部分まで具体的な案を出していただけました」。

榛葉さまも「できること・できないことをはっきり示しながら、最適な方法に導いていただけたことで、短期間でも安心して進められると感じました」と続けます。また、同社は、約半年という短期間で顧客向けに提供できるレベルまで構築しなければならない状況でした。そのため、約1万4千件にも及ぶ大量の分析データを扱う業務特性にエス・ビー・エスが柔軟に対応したことも、選択の決め手になりました。「現場でどのように使われているかを理解し、そのうえで無理のない設計にまとめていただけたので、安心して任せられました」と下田さまは述べています。

このように、顧客価値の向上を重視した設計力と、限られた期間でも確かな品質を実現できる構築体制が大きな決め手となり、Salesforceとエス・ビー・エスの採用につながりました。

【導入の効果】顧客が「早く・正確で・安心して」状況を判断できる仕組みが実現

「J-PLAT」※の導入により、同社が長年課題と感じていた「情報の届き方」が大きく改善されました。當眞さまは「分析結果を登録すると、お客様はすぐに最新データを確認できるようになりました。メールでのやり取りを待つ必要がなくなり、判断のスピードが圧倒的に早くなりました」と語ります。

写真:「J-PLAT」※画面

従来、分析結果はPDF添付のメールで届けられていましたが、顧客側では複数の部署で受け取り方に差が出たり、過去のメールを遡る必要があったりと、確認に時間を要するケースが多くありました。しかし「J-PLAT」※導入後は、『必要な情報が必ず所定の場所にある』ため、顧客は迷わず情報を取得できるようになりました。「工場や部署を跨いだ結果についても、最新の結果をどこで見れば良いのか迷わなくなった、という声をいただくことが増えました」と當眞さんは話します。

また、分析結果の中で注意が必要な項目は自動的に赤字表示されるようになり、直感的に理解できる設計になりました。下田さまは「改善が必要な場合も、同じ画面で確認できるようになったため、お客様が迷うことなく次の行動に移れるようになりました」と話されました。これにより、顧客の判断の負荷を大幅に軽減するだけでなく、顧客満足度向上につながりました。

情報共有の面でも、「J-PLAT」※の導入効果は顕著でした。榛葉さまは「本社と複数工場が同じデータにアクセスできるため、これまでのように部署間で認識がずれるといったことがなくなりました。意思決定のスピードが明らかに上がっています」と語ります。さらに、必要に応じて他工場へもスムーズに情報を展開できるようになり、顧客側の内部連携も強化される結果につながりました。

分析結果を一元管理・情報の質も担保

「J-PLAT」※の導入で得られたもう一つの大きな効果は、過去から現在までの分析結果を一つの画面で確認できるようになったことです。具体的には、分析結果をグラフで比較できるようになったことで、めっき薬品の状態を経時的に把握できるようになりました。これにより、顧客は毎回の分析結果を単発の数字として受け取るのではなく、経時的な変化を踏まえて判断できるようになり、漠然とした不安が減りました。

さらに、情報の透明性が向上したことも、顧客満足度の向上に貢献しています。これまで、営業担当者を通して情報を伝える際には、解釈の違いが生じることもありました。しかし、「J-PLAT」※では顧客自身が直接データを確認できるため、説明の食い違いや認識のズレがなくなりました。

「J-PLAT」※の導入は単なる作業効率化だけではなく、顧客が安心して利用し続けていただくための情報の質を大きく向上させ、同社の顧客との関係性強化につながる結果となりました。

【今後の展望】顧客との関係をより深め、長期的な価値提供につなげていく

「J-PLAT」※の導入によって、情報提供のスピードと正確性は大きく向上しましたが、日本高純度化学株式会社様ではこれを完成形とは考えていません。むしろ、ここからさらに価値を広げていくためのスタートだと捉えています。

写真:経営企画部係長 榛葉 拓也さま

榛葉さまは「データが蓄積されていくことで、より精度の高い提案が可能になります」と語り、顧客ごとの使用状況や改善の傾向を踏まえた、より丁寧な支援に発展させていく意欲を見せています。當眞さまも「本社や複数工場で共通の情報を見ながら議論できるようになったことで、課題の把握や意思決定がこれまでよりスムーズになったと思います。今後はコミュニケーションの質をさらに高めたい」と話します。

同社では、顧客との関係性をより強固にするため、「J-PLAT」※を継続的に改善しながら、長期的に価値を提供できる仕組みへと発展させていく考えです。表面処理業界でもグローバル化が進んでいます。「J-PLAT」※は日本語・英語・中国語に対応しており、今後はさらなる海外展開も視野に入れています。

また、當眞さまは「今後はAIの活用にも力を入れたいと考えています。この業界は現場作業が多く、まだアナログな部分が多く残っています。そこで、私たちが「J-PLAT」※を提供することで、現場レベルでもITを活用できる環境を広げていきたいです。リードカンパニーとして業界全体のDX推進にも貢献することが大きな目標のひとつです。」とお話しくださいました。

同社は、Salesforceを基盤にした顧客向けポータルサイト「J-PLAT」※を構築し、従来抱えていた課題を解決しました。さらに、工数や工程の削減だけでなく、多面的なアプローチによってセールスの強化も実現しています。今後も「J-PLAT」※を通じて、技術部門と営業部門の連携がさらに進み、お客様への価値提供の幅が広がっていくことが期待されます。

※インタビューは2025年10月当時のものです。

※「J-PLAT」は商標登録出願中です。