Salesforceのデータ分析活用ガイド|機能・ツール・実践方法を解説

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Salesforceの分析機能を活用することで、営業データやマーケティングデータから有益な洞察を得られ、データドリブンな意思決定が可能になります。標準のレポート・ダッシュボードからCRM Analytics、Tableauまで、目的に応じた分析ツールを段階的に使い分けることが成果につながるポイントです。

本記事では、Salesforceの基本的な分析機能から高度な分析ツールの特徴、導入ステップ、そしてデータ品質の維持や組織への定着に向けた実践方法まで、段階的に

解説します。

Salesforceの分析機能とは

Salesforceの分析機能は、蓄積されたビジネスデータを可視化し、意思決定を支援する強力な機能群です。日々の営業活動やマーケティング施策で蓄積されたデータを、経営に活かせる「情報」へと変換する役割を担っています。

データ活用の出発点としてのSalesforce

SalesforceはCRMプラットフォームとして、顧客情報から商談の進捗、営業活動の履歴まで、あらゆるビジネスデータを一元管理しています。しかし、データはただ蓄積するだけでは価値を生みません。

データを収集・整理・分類・分析することで、初めて客観的な評価や判断が可能になります。たとえば、売上の進捗確認や営業施策の効果検証など、日々の業務で生まれるさまざまな疑問に対して、感覚ではなくデータをもとに答えを出せるようになるのが、Salesforceの分析機能の強みです。

分析機能の位置付けと役割

Salesforceの分析機能は、大きく分けて3つの役割を果たします。

1つ目は、標準レポート機能による現状把握です。営業パイプラインの状況や案件の進捗など、「今何が起きているか」をデータで確認できます。2つ目は、ダッシュボード機能による重要指標の視覚的な監視です。複数のレポートを一画面にまとめることで、経営に必要な数字を一目で把握できるようになります。

そして3つ目は、分析結果をもとにしたデータドリブンな意思決定の実現です。経営判断やマーケティング施策の最適化を、勘や経験だけでなくデータの裏付けをもって進められるようになります。

Salesforceの3つの主要分析ツール

Salesforceには、標準機能から高度な分析まで段階的に活用できる複数の分析ツールが用意されています。自社の分析ニーズに応じて、最適なツールを選択することが重要です。

Salesforce標準のレポート・ダッシュボード機能

Salesforceの標準レポート機能では、あらかじめ設定された軸とフィルターに沿ってデータを表示できます。「今月の商談一覧」「営業担当者別の売上実績」など、日常的に必要なデータの確認に最適です。

ダッシュボード機能を活用すれば、複数のレポートを組み合わせて重要指標を一画面で確認することが可能です。グラフやゲージなどの視覚的なコンポーネントにより、数字の羅列では見えにくかったトレンドや異常値を直感的に把握できます。

標準機能の最大のメリットは、追加コストなしで利用できるだけでなく、設定が容易であるため、すぐに使い始められる点です。分析の第一歩は、この標準機能を使いこなすことから始まります。

CRM Analytics(旧Tableau CRM / Einstein Analytics)

CRM Analyticsは、Salesforce内で利用できるAI搭載の高度な分析プラットフォームです。旧称が「Tableau CRM」であることからもわかるとおり、Tableauの可視化技術とSalesforceのAI機能(Einstein)を統合した、Salesforce専用の分析ツールとして位置付けられています。なお、次の項で紹介する「Tableau(Desktop/Cloud)」とは別の製品であり、機能や用途が異なる点に注意してください。

CRM Analyticsは標準レポートではカバーしきれない、より深い分析ニーズに応えるために設計されています。Salesforce内のデータだけでなく、他システムから連携したデータと組み合わせた分析が可能な点も特徴です。機械学習を活用した予測分析により、将来の売上や商談成約の可能性を予測することもできます。

標準レポートよりも柔軟な分析が可能で、データパターンの自動検出により、人間では気づきにくい洞察を発見できる点も大きな強みです。

Tableau(Desktop/Cloud)|高度なデータ可視化ツール

Tableauは、Salesforceファミリーに属する汎用BIツールで、CRM Analyticsとは別ライセンスでの利用となります。CRM AnalyticsがSalesforceの画面上で動作する専用ツールであるのに対し、TableauはSalesforce以外のデータソース(Excel、ERP、各種データベースなど)も含めて横断的に分析・可視化できる点が最大の違いです。

標準ダッシュボードでは実現できない、複雑なビジネスの問いに答えられる高度な可視化機能を持っています。「複数年にわたるトレンド分析」「部門横断のクロス分析」「外部データを含めた統合的なビジネスインテリジェンス」など、より高度な分析要件がある企業に適したツールです。

Salesforce分析の活用のステップ

Salesforce分析を効果的に活用するためには、計画的な準備が欠かせません。ここでは、実践的なステップを順を追って解説します。

データ収集と準備

分析の出発点は、目的の明確化とデータの準備です。「何を知りたいのか」「どのような意思決定に活かしたいのか」といったことを明確にしたうえで、必要なデータ項目を洗い出します。

あわせて、Salesforce内のデータ品質を確認することも重要です。不足している情報があれば入力を促進し、分析に耐えうるデータの網羅性を確保する必要があります。外部データとの連携が必要な場合は、統合方法の検討もこの段階で行っておくことが大切です。

データモデルの設計

データの準備ができたら、分析したい指標(KPI)を定義し、それに必要なオブジェクトとフィールドを特定します。例えば「営業担当者別の商談成約率」を分析したい場合、商談オブジェクトのフェーズ、金額、所有者といった項目が必要になります。

また、オブジェクト間のリレーションを整理してデータの関連性を明確にし、必要に応じてカスタム項目や数式項目を作成して計算値を準備します。このデータモデルの設計が分析の精度を大きく左右するため、丁寧に取り組むことが大切です。

レポートの作成とダッシュボード設定

データモデルが整ったら、目的に応じた適切なレポートタイプを選択し、レポートを作成します。必要な項目をレポートに追加し、グループ化や集計を設定して、求めている情報が正しく表示されることを確認します。

作成したレポートをダッシュボードに配置し、視覚的にわかりやすい表示を実現します。ダッシュボードのレイアウトは、最も重要な指標が一目で確認できるよう、優先度を意識して配置することがポイントです。

Salesforce分析活用のための実践方法

Salesforce分析の精度と効果を高めるためには、ツールの設定だけでなく、組織全体での取り組みが求められます。ここでは、分析を定着させるための具体的な実践方法を紹介します。

データの整合性とクレンジング

分析結果の信頼性は、データの品質に直結します。不正確なデータや重複レコードが残ったままでは、どれほど優れたツールを使っても正しい分析結果は得られません。そのため、重複や誤りのあるデータを修正・統合するデータクレンジングを継続的に行い、分析に耐えうるデータ品質を維持することが不可欠です。

具体的には、重複レコードを定期的にチェックして統合する仕組みを構築することが第一歩となります。あわせて、必須項目の入力ルールを設定してデータの欠損を防ぎ、入力規則や選択リストを活用して表記揺れを防止する対策も重要です。

ユーザー教育とトレーニング

優れた分析ツールを導入しても、使いこなせるユーザーが少なければ効果を発揮できません。分析ツールの使い方を定期的にトレーニングし、ユーザーのスキルを向上させることが必要です。

トレーニングの方法としては、まず部門ごとの業務に即した、実際に手を動かしながら学ぶハンズオン形式の研修が効果的です。例えば、営業部門であれば「商談パイプラインのレポート作成」、マーケティング部門であれば「キャンペーン効果のダッシュボード構築」など、自分の業務で実際に使う場面を想定した実践型の研修を行うと、学んだ内容がすぐに業務に活かされやすくなります。

加えて、Salesforceが提供する無料の学習プラットフォーム「Trailhead」を活用するのもおすすめです。自分のペースで学習を進められるため、集合研修を補完する自主学習の手段としておすすめです。

ツールの操作方法だけでなく、分析結果の読み解き方や意思決定への活かし方まで共有することで、データドリブンな文化を組織全体に醸成できます。社内で成果の出た分析手法をベストプラクティスとして標準化していくことも、分析活用を定着させるうえで有効な取り組みです。

組織内での成功事例共有

分析の活用を組織に広げるうえで効果的なのが、成功事例の共有です。例えば、「商談の優先順位を分析データに基づいて見直したところ、成約率の向上につながった」といった具体的な成果を社内で紹介することで、まだ分析を活用できていないメンバーにも「自分の業務でも使えそうだ」という気づきを与えることができます。

こうした事例の積み重ねをもとに他部門への展開を検討し、定期的に分析結果をレビューしながら改善を続けることで、組織全体の分析力を着実に高めることが可能です。

まとめ

Salesforceの分析機能は、標準のレポート・ダッシュボードからCRM Analytics、Tableauまで、段階的に活用できる多様なツールが揃っています。自社の分析ニーズや成熟度に応じて最適なツールを選択し、データドリブンな意思決定の基盤を構築することが重要です。

分析を効果的に活用するためには、データ品質の維持、ユーザー教育、成功事例の共有といった組織的な取り組みも欠かせません。ツールの導入だけでなく、分析を活かす文化を醸成していくことが、真の意味でのデータ活用につながります。

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