Salesforce レコードトリガーフロー入門|ゼロから始める自動化の第一歩

Salesforceの自動化機能は、業務効率を大きく向上させるための重要な基盤であり、その中心となるのがレコードトリガーフローです。レコードの作成・更新・削除に応じて処理を自動実行できるため、日常業務の負担軽減に直結します。
本記事では、自動化をこれから導入する管理者に向けて、概念から設定手順までをわかりやすく解説します。
Salesforceの自動化を始める前に
Salesforceには複数の自動化ツールが存在し、それぞれに異なる特徴があります。自動化機能を正しく選択するには、各ツールの現状や将来的な方向性を把握することが欠かせません。
レコードトリガーフローを理解する前段階として、Salesforce全体の自動化戦略を整理します。
フロールールとプロセスビルダーの現状
Salesforce は2025年9月17日に、ワークフロールールとプロセスビルダーを2025年12月31日にサポートを終了すると発表しました。
現在、この2つの機能は新規作成できず、更新のみ可能です。そのためすべてのユーザーに対して、フローへの移行が求められるようになります。今後、機能維持や運用トラブルを避ける意味でも、早期に対応を進めることが重要です。
移行計画を立てる際は既存の自動化処理を棚卸しし、どの機能をフローへ置き換えるかを整理していきましょう。長期的な運用を考えるとフロー中心の構成が望まれます。
【公式発表の概要とスケジュールについて】
| 年月 | 内容 |
|---|---|
| 2023年 |
|
| 2025年初旬 |
|
| 2025年12月31日 |
|
なぜ今レコードトリガーフローなのか
レコードトリガーフローはSalesforceが公式に推奨する最新の自動化方式であり、高い柔軟性と拡張性を備えています。従来の仕組みと比べて保守性が向上し、複雑な条件分岐にも対応できるため、将来のアップデートにも適応しやすい特徴があります。
バックグラウンドで動作するためユーザー操作に影響を与えず、安定した運用が可能です。効率化施策の基盤として非常に有効な手法です。
レコードトリガーフローとは何か
レコードトリガーフローは、レコードの作成・更新・削除を契機に自動処理を実行する仕組みであり、幅広い業務に応用できます。他のフロータイプと組み合わせることで、より高度な自動化を構築できます。
ここではレコードトリガーフローの基本概念と特性を整理し、業務への適用範囲を理解します。
1.レコードトリガーフローの基本概念
レコード作成・更新・削除をトリガーとして動作する点が最大の特徴であり、日常的な入力作業と密接に連携します。バックグラウンドで処理が行われるためユーザーは操作を中断されることなく業務を続けられます。
条件設定によって対象レコードを細かく制御でき、自動化精度を高めることが可能です。運用の標準化にも寄与します。
2.レコードトリガーフローでできること
条件分岐やレコード更新、通知送信などさまざまな処理を1つのフローに集約できます。従来複数機能で実装していた業務ロジックを統合できるため、保守性が向上します。
業務手順をまとめて自動化できるため、担当者の作業負担を削減できます。柔軟な拡張に対応できる点も強みです。
①レコード作成時の自動化
新規レコード作成時に、関連レコードの生成や初期値設定を自動化できます。
例えば、新しい商談が登録されたタイミングで関連タスクを自動作成することで、初動対応の迅速化につながります。必要項目の抜け漏れを防ぎ、標準化された業務フローを維持できます。
レコード作成時の自動化は、業務効率向上の観点から非常に有効な施策です。
②レコード更新時の自動化
既存データが更新された際に、関連レコードの状態変更や通知送信を自動化できます。ステータス更新時に担当者へ連絡を送るなど、フォロー漏れを防ぐ仕組みとして活用できます。
常に最新情報を保つための補助としても効果的です。更新タイミングを見逃さず処理を行える点が大きなメリットです。
③レコード削除時の自動化
レコードの削除操作をきっかけに関連データ整理や通知を行うことで、情報の整合性を維持できます。
不要データを自動削除する処理や削除イベントを記録する仕組みにも応用できます。削除に伴う後続作業を自動化すれば管理負荷を軽減できます。データ精度を保つための重要な活用領域です。
Salesforce レコードトリガーフローの作成手順
レコードトリガーフローを正しく構築するためには、作成手順を理解しながら設定を進めることが重要です。フロービルダーの操作に慣れていない場合でも、基本的な流れを押さえれば安定した自動化が実現できます。
この章では初めての設定でも迷わず進められる手順を整理します。
フロービルダーへのアクセス方法
設定メニューの「フロー」項目からフロービルダーにアクセスし、新しいフローを作成します。レコードトリガーフローを選択すると、対象オブジェクトやトリガータイミングを設定する画面が開きます。
ここで最初に正しいフロー種別を選ぶことで、後続の設計が円滑に進みます。基本操作として覚えておくべき重要なステップです。
開始要素の設定
レコード作成・更新・削除のいずれを契機に動作させるかを選び、対象となるオブジェクトを指定します。条件式を設定すれば、特定の状況でのみ動作させることが可能になります。
実行タイミングを適切に設計することで無駄な処理を避けられます。開始設定はフローの方向性を左右する重要な工程です。
条件とアクションの追加
条件分岐(Decision要素)を使って業務ロジックを整理し、必要なアクションを適切に配置します。レコード更新や通知送信など、実行したい処理を順序に沿って追加します。
分岐が複雑になる場合はシンプルな構成を意識して整理することが有効です。処理内容を明確にすることでフローの可読性が高まります。
フローの有効化とテスト
設定が完了したらフローを有効化し、テスト環境で想定どおりに動作するかを確認します。実際のレコードを使った検証により、例外的な状況や予期しない挙動を早期に把握できます。
本番環境へのデプロイ前に複数パターンを検証することで安定した運用につながります。テスト工程は欠かせない重要なプロセスです。
レコードトリガーフロー活用パターン
レコードトリガーフローは幅広い業務で活用でき、適切に設計することで日常的な作業負担を大きく削減できます。実際の業務シーンから活用例を知ることで、導入時のイメージが明確になります。ここでは代表的な活用パターンを紹介します。
関連レコードの自動更新
商談ステータスが更新されたタイミングで、関連する見積やタスクを自動的に変更できます。手動更新の手間を省けるため、データ整合性が高まり業務負荷を軽減できます。関連オブジェクトの更新漏れを防げる点もメリットです。プロセス全体の統一性が向上します。
特定条件での通知送信
重要顧客の取引変更や案件進捗が発生した際に、自動通知を担当者へ送ることで迅速な対応が可能になります。予兆段階でのアラートを活用すれば、フォロー漏れを防いで対応品質を維持できます。通知条件を細かく設計することで、必要な情報だけが正しく伝わります。情報共有の効率化に大きく貢献します。
レコードトリガーフローのベストプラクティスと注意点
レコードトリガーフローを安定的に運用するためには、設計段階での工夫と運用時の確認が欠かせません。パフォーマンスやエラー対策を意識した設計を行うことで、本番環境でのトラブルを減らせます。ここでは効果的な運用を実現するためのポイントを紹介します。
パフォーマンスを意識した設計
フロー内に要素を詰め込みすぎると処理負荷が増大するため、必要最小限の構成で設計することが重要です。大量データを扱う場合は非同期実行を検討し、パフォーマンス低下を防ぎます。無駄な分岐や処理を削減することで、安定した運用が実現できます。負荷分散を考慮した設計が長期的な運用に役立ちます。
エラーハンドリングの重要性
エラー発生時には管理者へ自動通知が届くよう設定しておくと、問題発生に速やかに対応できます。例外ケースを事前にテストし、条件漏れがないかを確認することが重要です。入力ミスや想定外のデータも考慮し、例外処理を用意することでトラブルを抑制できます。適切なエラーハンドリングはフロー運用の安全性を高めます。
命名規則とドキュメント化
フロー名や要素名を統一すると、他の管理者が内容を理解しやすくなります。設計意図や処理内容をドキュメント化すれば、保守作業や引継ぎがスムーズに進みます。複数の管理者が関わる環境では特に命名規則が重要です。情報の整理によって長期的な運用が安定します。
まとめ
レコードトリガーフローはSalesforce自動化の中心に位置する重要な機能であり、正しく活用することで日常業務の効率化と品質向上を同時に実現できます。
基本概念と設定手順を押さえれば、複雑な業務ロジックも明確に整理でき、運用負荷を大幅に軽減できます。設計とテストを丁寧に行うことで、長期的に安定した自動化基盤を構築できます。
また、『エス・ビー・エス株式会社 』では、Salesforceパートナーとして200社以上の導入実績を持ち、ニーズに合ったシステム構築と、内製化に向けたご支援を行っています。 業務改善やDXを進めたい会社様にとって、Salesforceは今後ますます重要な選択肢です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
